国連の夏

7月下旬から8月いっぱいの国連はがらんとしてます。みんな2~3週間のバケーションを取り、海外に出かけたり、母国で休暇を過ごしたりしています。ちょうど今頃はその休暇期間の中間にあたり、前半に休暇を取った人が戻ってきて、後半組が出て行っています。この光景は2年目なので慣れてきましたが、去年は少し大変でした。

去年の夏は、国連に入って4ヶ月目。生活は整ったものの、仕事には慣れていませんでした。そんなときにチームリーダーから、「1ヶ月ほど国に帰るからあとはよろしく!」と言われ、「メンバーのXさんは?」と聞くと、「彼も海外に行くよ」とのこと。チームで管理しているシステムを1人で見ることになってしまいました。トラブル対応は大変でしたが、仕事を幅広く覚える良い機会でした。

今年の夏も1人になる期間がありそうですが、特に心配してません。とは言え、誰かの休暇のせいで仕事が進まなかったり、トラブルがあっても「夏だしね」で済むことがほとんどですが。というわけで、久々に日本に帰ります。

脱プラスチック

国連が再利用できないプラスチックゼロ宣言をし、所属するビルでつい先日実現しました。食堂やカフェで例をあげると、以下のような物に変更がありました。

・アイスコーヒーのストローが紙製に変更
・ホットコーヒーのふたが紙製に変更
・サンドイッチ等の入れ物が紙製に変更(中身が見えなくなったので、写真を設置)
・使い捨てスプーンやフォークが金属製に変更(再利用可)
・水のペットボトルが紙製に変更
・炭酸飲料(今のところ見かけず)

これにより、いくつか困ったことがあります。

・まず炭酸飲料が無くなったのは残念です。当然ですが、紙パックで炭酸飲料は保管できないようです。暑くなると炭酸飲料を買うことがあったので、今年の夏はどうしようか考えないといけません。
・コーヒーのふたとストローは紙製になりました。今後、オフィスでコーヒーを買うことは減るでしょう。どうしても飲みたくなったら、自前のタンブラーを持っていくと思います。なぜかというと、購入して時間が経つと紙がふやけてくるし、少し紙の味がするからです。

困ったこととして書いていますが、無いなら無いでそれを受け止めています。確かに、再利用不可能なプラスチックの環境への影響は大きいので、自宅でのプラスチック利用についても考えるようになりました。こういった製品を開発する企業にとっては、最大のビジネスチャンスですね。

やる気のスイッチ

人によって「やる気のスイッチ」は違うなと感じた経験です。

同じチームにやる気のなかった同僚がいます。頻繁にタバコを吸いに喫煙所に行ったり、同僚と長話をしたり、仕事の締め切りを守らなかったり。一緒に仕事をすると進捗が悪くなるので、うまく役割分担をして、仕事面では距離を置いていました。上司に報告したり、面と向かって話し合うこともできましたが、今までの経験上、人はそう簡単には変わらないだろうと諦めていました。

ある日、2ヶ月程度のプロジェクトの進捗管理を任されました。メンバーは、そのやる気のない同僚と他1名。ちょっと不安でしたが、プロジェクトの内容を細かいレベルで分解し、日次ミーティングを設定し、進捗をメンバーで共有しリーダーに報告していました。日本のITプロジェクトでは当たり前のことです。ある日、そのやる気のない同僚からこんな言葉が。

「この細かく分解してくれた仕事と、日次ミーティングのおかげで、日々達成感があってやる気が出るよ」

驚きました。それ以降は、たまにやる気のない側面も見せますが、仕事への取り組みが変わったように思います。ここからは想像ですが、「仕事の進め方」を知らなかったのかなと思います。その同僚は同い年ぐらいですが、職歴のほとんどが政府系の仕事なので、ITプロジェクトのような、仕事を分解してひとつひとつこなしていく進め方を経験していなかったのでしょう。

今までは「やる気のない人」に対しては諦めを感じることが多かったですが、「やる気のスイッチ」は人それぞれなんだなと、今後の行動を見直すきっかけになりました。

はじめての国連総会

先週から国連総会が開会しています。国連加盟国のリーダーが集うため、街全体が厳戒態勢になり、いつもとは違う雰囲気です。初めての経験なので、ちょっと記録に残してみます。

【住人はピリピリ】
世界の要人の動線を確保するために、国連ビルの前を走る、また、マンハッタンの主要な道路のひとつでもある1st Avenueを封鎖し、そのとなりの2nd Avenueの一部も封鎖しています。要人が乗った隊列が通過する際は一時的に通行止めになるので、身動きが取れなくなるドライバーや歩行者はピリピリしてます。今日の朝はトランプ大統領が通過する場面に出くわしたので、20〜30分ぐらい足止めでした。自分は野次馬気分でしたが、クラクションが鳴り響き、周りからは文句の言葉が漏れていました。

【厳戒態勢】
どこから来たのだろうと思うぐらいの大量の警官、ライフルを持った軍人(?)、パトカー、黒塗りの車で街は溢れています。国連の前を流れる川にもライフルを装備したボートが警備しています。たぶん見えないところにスナイパーとかもいるのでしょう。何も起こらないことを祈ります。

【国連の中はというと】
オフィスにあたるビルは通常営業です。会議棟は通常のIDでは入れず、特別のパスが必要となり、空港の税関のように荷物検査と金属探知機のゲートが出現しています。先週、臨時会議スペースを大量に設置していたので、かなりの数の会議が開催されていることが想像できます。

【一般討論(General Debate)】
ニュースでもよく流れている、加盟国の首相や大統領、閣僚が演説する会です。安倍首相を含め、何名かのスピーチを聞く機会をいただきました。手元に国連公用語に同時通訳をしてくれるイヤフォンがあり、何語であっても英語やフランス語等で聞くことができます。(ということは、何人の通訳者がいるのだろう?)世界のリーダーの演説を直接聞く特別で貴重な経験でした。

なぜか馬。
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トランプ大統領が通る直前の大通り。
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同時通訳機。
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General Debate。
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妥協はポジティブ?ネガティブ?

最近ちょっとしたワークショップがあり、「妥協」ってポジティブなのか、ネガティブなのか考えてしまう場面がありました。少しハイレベル(ポリティカル)な内容の議論で、「国連は非効率で物事の進みが遅い」という発言に対する反対意見を聞いたときのことです。

国連は193ヶ国の加盟国で成り立っていて、それぞれの文化や価値観がある。その文化や価値観が国のアイデンティティーなので、そこに固執してしまうのは当然。その中で妥協点を探りながら合意をしたり、目的を達成したりするのだから、時間がかかるのは当たり前。

なるほど。身近な今の職場環境に置き換えてみます。今のチームメンバーの国籍はばらばらです。それぞれの職歴も異なるので、仕事のやり方は結構違います。ご想像の通り、日本人である自分が一番細かいと思います。本当はもっとこだわりたいけど、妥協することもあれば、仕事が効率的に進むと信じて提案して取り入れることもあります。

日本で感じていた「妥協」は少しネガティブだった気がするけど、多国籍な環境で感じる「妥協」は本来の目的を達成するためのポジティブな姿勢な気もします。時と場合によると言えばそれまでですが、みなさんどうでしょう。

こちらは涼しくなってきました。
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プロフィール

ジェフ

Author:ジェフ
<仕事>
2018- 国連事務局(JPO)
国連事務局のOffice of Information and Communication Technology(OICT)に勤務しています。
2014- コンサルファーム
2013- イギリス大学院留学
2013- 国連インターン
2011- 青年海外協力隊@ケニア
2006- IT企業

<趣味>
・ブラジル音楽
・整理整頓

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